お祝いごとに決められた色「傘寿・米寿・卒寿の黄色」 |
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様々な諸説がありますが、80歳のお祝いである傘寿、88歳のお祝いである米寿、そして90歳のお祝いである卒寿はすべて黄色でお祝いします。今回は、傘寿・米寿・卒寿祝いの黄、日本の黄色について。 |
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三原色の1つ黄色について
黄色は赤色と青色と並んで三原色の1つです。視覚から温かい印象を受けるとして暖色とされています。また、一番明るく賑やかな色で、安全や警告として昼夜でも認識しやすく注意の色と我々は認識していますよね。現在では小学生の帽子やバッグにも多く採用されています。また脳を刺激し、アイデアが欲しいときなどに使うと柔軟性が高まると言われています。
歴史をひも解いていくと、中国最初の皇帝のイメージカラーが黄色とされ、中国第二の大河の名前は黄河と呼ばれています。黄色は太陽の色、天子の色として、権力そのものを表していたようです。このように古来の中国では高貴な色として崇められていました。日本でも改訂される以前の冠位十二階で、「大信」「小信」という階位に黄色が取り入れられていました。また特別な黄丹(おうだん)や黄櫨染(こうろぜん)は、大宝律令で庶民や貴族にも禁色とされており、天皇のみが着用することができました。
傘寿・米寿・卒寿は黄色でお祝い
まずはそれぞれの由来から説明すると、80歳のお祝いである傘寿は傘の略字が八十に見えることが由来とされています。また、88歳のお祝いである米寿は米の字を分解すると八十八に見えることから呼ばれ(八十の人と読む説もあり)、鳩の頭のついた鳩杖(きゅうじょう/はとのつえ)を贈る習わしもあります(鳩は食べ物をむせないことより)。そして90歳のお祝いである卒寿は卒の略字が九十に見えることがいわれとされています。
賀寿というのは長寿を喜び、健康でいてほしいという慣習から生まれたものですので、家族や親類で盛大にお祝いしましょう。プレゼントは黄色のものが良いとされています。本人に喜ばれるものは何か? あらかじめリサーチしておくと非常に喜ばれますよ。80~90歳まで、10年に3つの同じような黄色のお祝い品を渡すのなら、いろんなパターンのプレゼントをネットなどで検索して用意しておくのも良いでしょう。
おまけ
日本古来の黄には、ニュアンスの違った様々な色があります。ご参考までに!
鬱金色(うこんいろ)=
ウコンの根で染めた色で、赤みをおびた濃い黄色です。スリランカでは僧侶の衣の色として知られており、英語ではターメリックと呼ばれています。江戸時代に輸入されて以降、広く愛用されたことでも有名な色です。
黄土色(おうどいろ)=
黄色がかった茶色です。JISの色彩規格はくすんだ赤みの黄と言われています。人類と古来からつながりが深い色とされ、土や大地を連想させる色であることからアースカラー(自然の色)と呼ばれているそうです。
芥子色(からしいろ)=
芥子菜の種のようなやわらかい茶色がかった黄色。JISの色彩規格ではやわらかい黄色とされています。衣類の色としてよく用いられています。近代に生まれた新しい色の名前で、マスタードの訳語という説もあります。
枯草色(かれくさいろ)=
枯れ草のような色で、黄褐色。平安時代に「枯色」という色名で呼ばれていました。別名でカーキ色とも呼ばれており、陸軍などの軍服でもよく採用されており、また、一般の衣類の色として使われることが多い色です。
黄金色(こがねいろ)=
金の放つ輝く黄色。高価の象徴である色。「金閣寺」や豊臣秀吉の「金の茶室」のような高級感のあるイメージが強い色です。山吹色にも近いと言われています。「百寿」などのお祝いとして、黄金色(金色)のちゃんちゃんこや座布団がプレゼントされることもあります。
練色(ねりいろ)=
ごく薄いわずかな黄色がかった色です。生絹を精練することを練ると言われ、そこから名付けられたと言われています。平安時代から使われてきた伝統色として長らく愛され続けています。
山吹色(やまぶきいろ)=
JISの色彩規格としてあざやかな赤みの黄色。春の季語としてバラ科のヤマブキの花ののような色です。平安時代から使われてきた言葉で、古くから黄色を表す言葉として使われています。また大判、小判などの表現として採用されることが多いそうです。
檸檬色(れもんいろ)=
やや薄めの黄色で、レモンの実の色から名付けられています。19世紀後半から大量生産された緑を含む黄色をレモンイエローと呼ぶようになり、檸檬と漢字が当てられました。類似色としてクリーム色やライムグリーンがあります。